インプラントのメリットと入れ歯との違いについて

2024.07.24

群馬県前橋市古市町の長島歯科・矯正歯科

院長歯科医師の長島雄吾です。

インプラント治療は近年非常に注目されており、歯を失った多くの方が選択肢として考えています。本記事では、インプラントのメリットについて詳しく解説し、入れ歯と比較してその違いと魅力を紹介します。

1. インプラントとは何か？

まず、インプラントとは何かについて説明します。インプラントは、歯を失った部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯を取り付ける治療法です。使用される材料は主にチタンであり、生体適合性が高く、骨と結合しやすい特性を持っています。このため、インプラントは天然の歯のようにしっかりと固定され、強度や耐久性に優れています。

インプラント治療は一般的に三つのステップで進行します。まず、手術によってインプラント体を顎骨に埋め込み、その後、骨と結合するまでの治癒期間を経ます。そして最後に人工歯を装着します。この一連のプロセスにより、失った歯の機能と外見を回復することができます。

2. インプラントの主なメリット

インプラント治療には多くのメリットがあります。まず第一に、天然の歯に近い見た目と機能を持つことが挙げられます。インプラントは顎骨に固定されているため、噛む力が非常に強く、硬い食べ物も問題なく咀嚼できます。また、他の歯に負担をかけずに独立して存在できるため、隣接する健康な歯に影響を与えません。

また、インプラントは長期間にわたって安定した状態を保つことができるため、適切なメンテナンスをすれば10年以上使用することが可能です。これは、入れ歯のしばしば行われる調整や修理と比較して、メンテナンスの手間が少ないというメリットがあります。

さらに、インプラントは顎骨の健康を保つ助けにもなります。歯を失うと、その部分の顎骨が徐々に吸収されて薄くなることがありますが、インプラントは骨に刺激を与えるため、骨の吸収を抑える効果があります。

3. 入れ歯との違い

一方、入れ歯とは取り外し可能な人工の歯のことを指します。部分入れ歯や総入れ歯があり、それぞれの患者の歯の状態に応じて作成されます。入れ歯の大きな特徴は、取り外しができる点と比較的安価である点です。

しかし、インプラントと比較するといくつかのデメリットがあります。例えば、入れ歯は咀嚼力が弱く、硬い食べ物を噛むのが難しいことが多いです。さらに、長時間装着していると入れ歯が動いて不快感を感じることもあります。また、入れ歯の支えにするために隣接する歯に金具を取り付けることがあるため、その部分に負担がかかってしまうことがあります。

経済面では、入れ歯がインプラントよりも初期費用が安いですが、長期間にわたるメンテナンス費用や調整費用が必要です。そのため、長い目で見るとインプラントの方がコストパフォーマンスが良いと感じる患者さんも少なくありません。

4. インプラント治療の具体例

インプラント治療の具体的な流れについて説明します。例えば、前歯を失った場合の治療プロセスを見てみましょう。

最初に、歯科医師は口腔内の状態を詳細に診査します。この診査にはX線撮影やCTスキャンなどが含まれ、顎骨の状態や他の歯の配置を確認します。その後、インプラントの手術が行われ、人工歯根が顎骨に埋め込まれます。手術は地域麻酔を使用して行われるため、患者さんは痛みを感じることはほとんどありません。手術後は骨との結合を待つために数ヶ月の治癒期間が必要です。

治癒が進んだら、インプラント体にアバットメントと呼ばれる連結部品を取り付け、最終的に人工歯を装着します。このプロセスにより、前歯の美しい見た目と機能が回復します。治療後は定期的な検診と適切な口腔ケアが必要ですが、生活の質が大幅に向上するでしょう。

5. 治療期間と費用について

インプラント治療の期間と費用についても詳しく説明します。治療期間は個別のケースにより異なりますが、一般的にはインプラント手術から最終的な人工歯の装着までに6ヶ月から1年程度かかることが多いです。これは、骨とインプラントがしっかり結合するための治癒期間が必要だからです。

費用については、インプラント治療は高価な治療法の一つです。日本では1本あたり30万円から50万円程度が相場とされています。ただし、クリニックや地域によって価格は異なるため、事前に費用を確認することが重要です。また、いくつかの歯科医院では分割払いの制度を利用できる場合がありますので、経済的な負担を軽減するための方法を相談することも考慮してください。